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テキスト分析入門(3):人間の業務を担う活用方法

こんにちは、DIチームの垣内です。

これまでの「テキスト分析入門シリーズ」では、テキスト分析とは何か、そして活用方法を8つのうち"情報を抽出したり気づきを得る活用方法"4つをご紹介してきました。
本記事では、残る「人間の業務を担う活用方法」4つを事例とともにご紹介していきたいと思います。

 

kdl-di.hatenablog.com

 

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活用方法5:機械翻訳

概要

ある言語で書かれた文章を、AIが他の言語に自動翻訳する技術です。Google翻訳やDeepLが代表的なソリューションとして挙げられます。

 

事例

▼多言語で書かれたレビューをAIで自動翻訳する

旅行先を決める際、多くの人が口コミサイトのレビューをチェックしますよね。
英語・中国語・ロシア語など、様々な言語で投稿されたレビューを手作業で多言語翻訳するのは非常に大変です。機械翻訳を導入することにより、口コミを利用者の言語にローカライズできるだけでなく、翻訳にかかる人的コストと時間を削減することができるようになります。

 

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口コミのローカライズ

 

活用方法6:対話システム

概要

いわゆるチャットボットの事です。文章や音声で入力された質問をコンピュータが認識して回答する自動対話プログラムです。

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対話システム
事例

▼再配達の依頼受付け

一番身近なチャットボットと言えば、ヤマト運輸様のチャットボットではないでしょうか。LINEのヤマト運輸公式アカウントでは、チャットを通じて配達予定日の通知や荷物の配達状況の問い合せ・再配達の依頼ができます。これにより再配達の回数やドライバーの負担を減らすことに成功したそうです。

 

▼お問合せ対応をチャットボットが担当する

企業のホームページを見ると、AIチャットボット・コンシェルジュがサイト内に表示されることが多くなってきました。

AIチャットボットやAIコンシェルジュは、24時間365日、社内外からの問い合わせに対応することができます。

これにより、オペレータの業務負荷を軽減し、難易度の高い問い合せは有人(スタッフ)が対応するという流れを作る事ができるようになりました。

 

活用方法7:文章生成

概要

様々な文章をAIに学習させて、新たな文章を生成する技術です。どんな文章をAIに学習させるのかが重要となってきます。

2015年、Microsoft社より「りんな」という女子高生AIが誕生しました。自然なLINEができるというという事で一時期話題になりました。
その「りんな」は、ユーザが送った文章を読み、会話を生成しているそうです。
これ以外に世の中にはどんな活用方法があるか見てみましょう。

 

事例

▼決算のサマリーを自動作成する

上場企業が四半期・通年と発表する決算情報。これらが公開されると、すぐさま内容を要約し、売上状況・利益などの数字・売り上げ状況・会社を取り巻く出来事・影響など背景にある要点を読み取り、記事を自動生成するシステムが存在します。自動生成が完了すると、すぐさまユーザーへサマリーを配信することで、素早く情報を届けるだけでなく、数値を手入力したり文章を作成する時間を減らすことに成功したそうです。

 

▼小説を書く

公立はこだて未来大学の松原仁教授を中心に「きまぐれ人工知能プロジェクト作家ですのよ」が2012年9月にスタートしました。このプロジェクトでは作家・星新一のショートショート(短編小説)全編を分析し、エッセイなどに書かれたアイデア発想法を参考にして、人工知能におもしろいショートショートを創作させることを目指しています。
過去には「星新一賞」一次審査を通過した実績もあります。

 

活用方法8:要約

概要

読み込んだ文章から要点をまとめて簡略に表現する技術です。本や論文、「長い文章から概要を掴みたいとき」に用いられます。

要約には2つのやり方文中にある単語だけで要約する「抽出型」、文中にない単語や言い換えを使って要約する「抽象型」の2パターン存在しています。現時点では要約をする場合は「抽出型」で行われます。

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要約のイメージ
事例

▼口コミを分析し、客観的な自社のポジションを明確にする

SNSの投稿や製品の口コミを集めて、ポジティブ・ネガティブに分けます。

それぞれ具体的にどんな意見があるのかをさらに分析することで、お客様から見た製品・ブランドのイメージを捉えることができるようになります。

それとは別に競合製品・競合他社の評価についても収集することで、マーケティング材料とすることもできます。

 

▼メディアの報道をリアルタイムで分析し、マーケティング戦略に活用する

ある食品メーカが、青汁健康食品の新商品の販売を始めました。「青汁の効果」を全面に押して販売戦略を考えていましたが、新聞やニュースなどの情報を収集して要約してみると「飲みやすさ」が評価されていることに気づきました。イメージが定着する前にマーケティング戦略(ブランディングや広告を出すペルソナの変更など)の方針を転換することで、コストや世論の変化・リスクに対して迅速に対応することができます。

 

 

 

まとめ

最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました!
ご紹介した事例以外にも、分析した文章を業務に活用する企業は多く存在しています。
まだまだ研究が盛んな分野ですが、テキスト分析は業務の効率化やマーケティング活動にも活用されてきています。

DIチームではテキスト分析を業務に活用するご相談・PoCを承っております。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

垣内優花

データインテリジェンスチーム所属
テキスト活用するプロジェクトを担当。ビジネスを意識したデータ活用を考えるデータアナリスト。初心者向けの情報・テキスト活用について発信していきます!